彼等には記憶がなかった。
どこで生まれ、なにを感じ、どのような人生を送ってきたのか……
そして、自分の名前さえも、思い出せない。
その空間にはそんな13人の若者達がいた――
自由を手に入れるために7つの課題に臨む若者達。
その戦いに彼等が賭けるもの……それは「記憶」――
「記憶を消すってのか? 冗談じゃねぇ……」
毎朝提出される課題、それは奇怪なものばかり。
若者達は互いに時に衝突しながらも、力を合わせて乗り越えていく。
「あ、ああ……つまり、答えは……」
しかし、次第に課題は難解なものへと変化していく……
一人、また一人と脱落者が現れ始める。
「じゃ、どうして……どうして失格になったのよッ!!」
「この中の誰かが嘘の答えを教えたから……」
一つにまとまりかけた心が再び離れていく。
お互いに向けられる疑心、それでも明日を生き抜くため
若者達は時に手を取り合い、走り続けなければならなかった。
そして、あるとき、気付いてしまう――
彼等が脱落したときに失う「記憶」――
それが、いつの間にか
何よりも失いたくないモノになっていたことを……
「……みんなのこと……ユウナギのことを忘れるのが……怖い……」
そして……
「やはり十三人目の介入が大きかったようですね」
「なんてことだ……俺達はすっかり騙されていた……」
全ての謎が明らかになったとき……
「無くした記憶の中に、彼女が居たような気がするんだ……」
少しはびっくりしてくれるといいな……
|